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『繊維リサイクルとは?』廃棄衣類を資源に変える「PANECO®」が描く循環型社会の未来

2025/06/15

「着なくなった服、どこへ行くのか?」

PANECO パネコ 繊維リサイクル textile recycling
繊維リサイクル「PANECO®」

日々私たちが身につける衣類の多くは、ほんの数年で役目を終え、最終的には“ごみ”として焼却や埋立処分されます。日本では年間約100万トン、世界では9200万トン以上の衣類が廃棄されています。そのうち再利用やリサイクルに回るのはわずか約18%に過ぎず、残る約82%は焼却または埋立処分されているのが現実です。

「サステナブルファッション」や「ゼロウェイスト」といった理想が語られる中で、この数字は深刻なギャップを物語っています。衣類は単なる消耗品ではなく、資源の集合体。にもかかわらず、その大半が資源として扱われず、一度きりの消費で終わってしまっているのです。

この状況に対し、繊維業界ではさまざまな「繊維リサイクル」の取り組みが進んでいます。中でも重要なのがリユース(再使用)。まだ着られる衣類を古着として再流通させることは、もっともエネルギー負荷の小さい資源循環の形です。また近年は、廃棄衣類を再び繊維原料として新しい衣類へと再生する「繊維to繊維」の技術も注目されています。

しかし、現実には――

  • 素材の劣化や汚れによる再利用困難
  • 綿とポリエステルなど混合繊維の分離が技術的に難しい
  • 古着供給の過多による需給のミスマッチ

などの壁が存在します。

とりわけ「繊維to繊維」のリサイクルは、その期待に反して世界全体でわずか1%未満の実行率にとどまっています(Ellen MacArthur Foundation, A New Textiles Economy, 2017)。

つまり、リユースや繊維to繊維といった従来のリサイクルルートでは、廃棄衣類の多くが循環の外に取り残されているのです。

繊維to繊維リサイクル

そこで今、注目を集めているのが、繊維をボード(板材)として再資源化するというまったく新しいリサイクルの形。それを実現するのが、日本発の資源循環プロジェクト**PANECO®(パネコ)**です。

繊維リサイクル PANECO

PANECO®は、廃棄された衣類を特許製法によって建築用ボードや家具用パネルへと再構成する画期的な技術。木材の代替素材として、商業施設やオフィスの家具や内装材など、多岐にわたって活用されています。

特長は、ただリサイクルするだけでなく、意匠性と機能性を兼ね備えたマテリアルとして生まれ変わる点。表面に残る繊維の風合いが独特の美しさを生み出し、さらに一度使用されたPANECOボードは再び粉砕・再成形することが可能。まさに“廃棄物でできた再生できる素材”です。

繊維リサイクル PANECO

繊維としての命を終えた衣類に、新たな役割を与え、社会の中で活かされ続ける居場所をつくること。

これこそが、PANECO®が描く「循環の完結」です。

リユースも、繊維to繊維も、もちろん大切です。

しかしそれらでは支えきれない膨大な衣類廃棄に対して、PANECO®のような“最後の受け皿”がなければ、循環型社会は実現しません。

服が都市をつくる素材となり、使われたあとも循環し続ける未来へ。

PANECO®は、繊維の持つ可能性を、最後の一片まで資源に変える新しい社会インフラです。

▶︎ ご興味のある企業様・自治体様は、ぜひご相談ください

PANECO®公式サイトはこちら

▶︎ 「ユニフォームリサイクルプロジェクト」を見る

「ユニフォームリサイクルプロジェクト」サイトはこちら

繊維リサイクル PANECO
PANECO® board S | Textile Recycling Board made from Waste Textiles
繊維リサイクルボード「PANECO® board S」

「PANECO® board S」繊維リサイクルボード

「PANECO® board S」を見る

PANECO Milan design week 2022
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